早稲田大学建築学科 設計演習 B/C
教授 入江 正之
講師 山口 英城 博多 努 間下 奈津子
TA 金谷 泰志 坂本 拓也
設計演習の伝統的ひな形の275×275(mm)の立方体が対照的な形で表現されている。サイズを固定して、片側は、重量感のある塊、他方は、立方体のフーセンとして質と量を誇大化することにより杓子定規な厳格さと尺度の自由さが、浮き彫りになる。表現となっているように思う。(博多)
黒い紙に白いペンで、牛乳びんがだんだん空になっていく様子が描かれている。ヘタウマなタッチと、その途中経過をコマ撮りのように並べる手法が評価された。牛乳は内から外へ流れ出て、又体内へ入っていったのだろうが、瓶の中は牛乳が減っていくことで内部空間が出現しつつも、空になった内部は透明で、内部ともつかないものとなる。過程による空間の変化に着目した作品は他にはみられなかった。(間下)

貨幣価値を質、量として置き換えている点にはユーモアさを感じるが、法律に触れない範囲で、オブジェに止まらず、強引に実用化してみる意欲が欲しかった。(博多)

「住むための機械」から「生きるための機械」である時代の変化を建築が生きる過程を捉えている。人々が住まうことの動作・所作、新陳代謝を外に示していく。繊細なタッチで執拗に描いている点は好感が持てるが、アーキグラムなどの運動の既視感を超えることを望みたい。(入江)